ごあいさつ
私は、自治医科大学を卒業後約10年間内科医として熊本県下の公立病院に勤務し、地域医療に従事してきました。
その後大腸肛門病センター高野病院で28年間消化器内科医として、消化管の難病である潰瘍性大腸炎、クローン病の炎症性腸疾患(IBD:アイビーディーと国際的に呼ばれています)の内科診療を中心に、消化器疾患の診療、消化器内視鏡(胃・大腸)による検査・治療、胃がん・大腸がん検診に従事してきました。
「患者様ファーストの医療」を信条に消化器内科、胃腸内科、一般内科を通して地域医療に貢献してまいります。
専門性を活かしながら地域住民の皆様のかかりつけ医としての役目をはたせるように努めてまいります。お身体の不調など、お気軽にご相談ください。
のざき消化器IBDクリニック
院長 野﨑 良一
経歴
熊本県天草市出身
- 1977年 3月
- 熊本県立天草高等学校 卒業
- 1977年 4月
- 自治医科大学医学部 入学
- 1983年 3月
- 自治医科大学医学部 卒業
- 1983年 7月
- 熊本県衛生部医務課技師兼熊本赤十字病院研修医
- 1985年 7月
- 国保河浦町立病院内科医員
- 1988年 7月
- 公立多良木病院内科医員
- 1990年 7月
- 公立玉名中央病院内科医員
- 1993年 4月
- 特定医療法人社団高野会高野病院(現:社会医療法人社団高野会大腸肛門病センター高野病院)医員
- 1993年 7月
- 同上医長
- 1994年 4月
- 同上内科部長
- 1995年 3月
- 同上副院長
- 1999年 4月
- 同上理事就任
- 2017年 8月
- 同上炎症性腸疾患センター長兼任
- 2020年 6月
- 同上消化器内科特任部長(非常勤)
- 2021年 9月
- のざき消化器IBDクリニック院長
研究歴
- 1985年 4月
- 自治医科大学病理学I研究員
- 1993年 4月
- 自治医科大学大宮医療センター(現:さいたま医療センター)総合医学I研究員(~1999年)
資格
- 医師免許 1983年5月医師免許登録
- 医学博士(自治医科大学):学位論文「大腸癌予防に対する便潜血検査とS状結腸内視鏡検査を併用した大腸がん集団検診の意義に関する研究」
- 日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
- 日本大腸肛門病学会専門医・指導医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器がん検診学会総合認定医・指導医
- 日本消化管学会終身認定医
- 日本内科学会認定内科医
- 日本人間ドック学会/日本総合健診医学会人間ドック健診専門医
- 産業医、日本医師会認定産業医
- 日本炎症性腸疾患学会IBD専門医・指導医
- その他:
Best Doctors in Japan
ドクターオブドクターズネットワーク「優秀専門臨床医」
Who’s Who in the World に認定された。
学会役員など
- 日本消化器がん検診学会前理事・代議員
- 日本消化器内視鏡学会社団評議員
- 日本大腸肛門病学会評議員
- 日本大腸検査学会理事・評議員・九州支部名誉支部長
- 日本消化管学会功労会員
- 日本消化器内視鏡学会内視鏡洗浄・消毒ガイドライン委員会委員
- 日本消化器病学会大腸ポリープ診療ガイドライン委員会委員
- 日本消化器内視鏡学会大腸内視鏡スクリーニングとサーベイランスガイドライン委員会委員
- 日本消化器内視鏡学会消化管内視鏡スクリーニング認定医制度委員会委員
- 日本人間ドック学会内視鏡委員会委員
- 消化管先進画像診断研究会常任世話人
- 日本医師会上益城郡医師会理事
- 熊本IBDセミナー代表世話人など。
学会主催
受賞歴
- 1996年
- 日本総合健診医学会学会賞
- 1996年
- 地域保健医療研究奨励賞
- 2002年
- 日本消化器内視鏡学会学会賞
- 2006年
- 日本消化器がん検診学会第24回有賀記念学会
院長のこれまでの歩み
私は昭和58年(1983年)3月に自治医科大学医学部を卒業し医師となりました。卒後臨床研修を2年間熊本赤十字病院(内科系研修)で行い、その後熊本県下の公立病院で一般内科医として8年間勤務し、地域医療に従事してきました。日赤病院で初期研修終了後3年間天草の河浦町立病院(現:天草市立河浦病院)内科に勤務しました。病院での内科診療に加えて、往診、乳幼児健診、予防接種と多岐にわたり診療業務行うことができました。引き続き2年間球磨郡の公立多良木病院内科に勤務しました。病院のほかに、多良木町の槻木診療所、水上村の古屋敷診療所にも週に1回出向きへき地診療にかかわりました。プライマリーケア医としての経験を積むことができました。今振り返るとすべて若き日の良い思い出となっています。自治医科大学では卒後9年間、県の指示で公的病院勤務、そのうち半分はへき地勤務が義務付けられていますが、義務年限の最後は地域医療の中核病院である玉名市の公立玉名中央病院(現:県北病院)内科に約3年間勤務しました。内科の中でも循環器科に所属し、心臓疾患、脳卒中、糖尿病、慢性腎不全などの専門的治療に携わることができました。これらの熊本県下の医療機関での内科医、実地医家としての経験が今の私の診療のベースとなっています。
公立多良木病院時代から消化器内科医として将来高い専門性を持って実際の臨床と臨床研究を行いたい、特に「これからは大腸の時代だ。大腸内視鏡検査をマスターして、臨床に活かしたい。」との思いを強く持っていました。昭和63年(1988年)から毎週1回、熊本市の大腸・肛門病で有名な大腸肛門病センター高野病院で内視鏡研修を開始しました。雨の日も、風の日も、一時期ブランクはありましたが、平成5年(1993年)に常勤医として勤務するまで大腸内視鏡研修を続けました。毎週の高野病院での大腸内視鏡研修は私の一番の楽しみでした。
義務年限終了後は、平成5年4月から令和3年まで28年間にわたり高野病院で消化器内科医として、消化管の難病である潰瘍性大腸炎(Ulcerative colitis:CD)、クローン病(Chron’s disease: CD)の炎症性腸疾患(IBD、アイビーディー)の内科診療と消化器内視鏡特に大腸内視鏡検査・治療、それに大腸がん検診におもに従事してきました。IBD専門医しての数多くの臨床経験と豊富な大腸内視鏡検査・治療の症例数を積むことができました。大腸内視鏡の件数は、28年間で5万件を超えています。高野病院入職1年目に医長、2年前に内科部長、3年目になる直前に副院長を拝命しました。5年目に理事に就任しました。副院長として25年間がむしゃらに診療、臨床研究に邁進してきました。副院長辞職後は、消化器内科特任部長とクリニック開院まで勤めてきました。
「がんを治す内視鏡の名医大事典」(和田 勉編著、二見書房)で最新科学と熟達の技で早期発見・治療の名医374人の中の一人にとり上げていただきました。IBD領域におきましては、九州地区と熊本県下のリーダーの一人になることができました。特定非営利活動法人「日本炎症性腸疾患協会」で全国診療医(内科)として登録されました。大腸がん検診では、便潜血検査とS状結腸内視鏡検査併用による大腸がん検診の第一人者、CT装置を用いた仮想大腸内視鏡検査である大腸CT検査(CTコロノグラフィ)のオピニオンリーダーの一人となることができました。高野病院勤務した当初に、現在胃内視鏡検査で注目されている経鼻胃内視鏡検査を人間ドックに世界で初めて導入し、研究成果を英文・和文論文で発表しました。
資格、学会役員、学会主催に示しましたように、多くの消化器関連学会の専門医・指導医を取得し、全国学会の理事や役員(評議員・代議員)、地方会の役員を務めてきました。さらには全国ならびに九州支部の消化器関連学会を会長として主催してきました。特に2016年11月にJDDW2016日本消化器がん検診学会大会の大会長を歴任後、私のことを全国の多くの消化器病を専門とする先生方に知ってもらうことができました。これまでに数多くの消化器内視鏡専門医、消化器内視鏡技師を育成してきました。医師間の相互評価(ピアレビュー調査)を通し「医師間で信頼されている医師」Best Doctors Japan(全国で6,500名認定)、著名な医師(評議員)の厳格な評価によって選ばれる ドクター オブ ドクターズ ネットワークの「優秀専門臨床医」(全国で2,765人、九州で279人認定)に認定されました。IBD領域、大腸内視鏡の分野、消化器がん検診特に大腸がん検診では全国的にみても知名度が高いと自負しています。
これからの抱負
- これまで培ってきた消化器病学、消化器内視鏡、消化器がん検診(特に大腸がん検診)に対する診療経験(技能、知識、学術活動、知名度)を生かして、微力ながら今回開設しました、「のざき消化器IBDクリニック」で地域医療に貢献してまいります。
- IBDの薬物療法として、5-アミノサルチル酸製剤(ペンタサ・アサコール・リアルダ:先発・後発含む)、ステロイド製剤、免疫調整薬に加えて、生物学的製剤(レミケード、ヒュミラ、シンポニー、ステラーラ、エンタイビオ、バイオシミラなど)による治療(クリニック内での点滴静注、皮下投与およびヒュミラの院外処方)を積極的に行っていく方針でいます。
- IBDでは緊急入院になることがしばしばあり、医療連携が大変重要です。熊本赤十字病院、熊本大学病院、大腸肛門病センター高野病院、済生会熊本病院、国立病院熊本医療センター、熊本市民病院などの基幹病院との病診連携や一般病院、クリニックの先生方との医療連携に努めてまいります。
- 消化器内視鏡の中で上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)に加えてこれまでライフワークとしてきた大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を内視鏡の柱にして行きます。内視鏡検査には有能なベテランの看護師(消化器内視鏡技師)が介助につきます。
- 大腸内視鏡検査だけでなく、日帰り内視鏡手術として内視鏡的大腸ポリープ切除術を行います。さらに1週間のうち1日は私の内視鏡検査・治療日として検査を集約させ、質の高い内視鏡検査を患者さんに提供する計画でいます。そのほかの日にも内視鏡検査を行います。
- IBD診療と大腸内視鏡検査に加えて、消化器内科・一般内科に診療により地域の皆様のかかりつけ医としての役目を果たしてまいります。
- 以上、「IBD診療」、「大腸内視鏡」、「地域の皆様のかかりつけ医」をクリニックの3本の柱として、臨床医としての覚悟と使命感を持って、「患者様ファーストの医療」に職員一丸となって取り組みます。
院長のおもな研究業績
Ⅰ.2006年まで(論文のみ)
英文
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PDFで見るおもな業績の概要
便潜血検査とS状結腸内視鏡検査を併用した地域集団ベースの大腸がん検診に関する研究の一環として、S状結腸内視鏡検査併用検診の大腸癌発見率(免疫2日法による発見率の約2倍)、適正な受診年齢(50歳以上)、検診初回受診者への併用が最も効率が良いことなどを約12万人の併用検診結果から明らかにした。世界的にみても免疫2日法とS状結腸内視鏡検査を併用した検診では最も規模が大きい研究である。(Digestive Endoscopy,2006)初回大腸がん検診で併用検診を受けた場合、検診の効果は3年間持続すること、2年目から毎年免疫法による検診を受けていくと、その後のS状結腸内視鏡検査は不要であることを明らかにした。(日本消化器集団検診学会雑誌,2001、Japan Medical Association Journal,2006)これらの功績により2006年日本消化器がん検診学会第24回有賀記念学会賞を受賞した。
次にこれまで十分なevidenceが得られていなかった大腸内視鏡検査の効率的な検査間隔を多変量解析により、平均的大腸癌のリスクを持った受診者では大腸内視鏡検査で異常ない場合、内視鏡検査間隔は5年が適当であることを明らかにした。(Digestive Endoscopy,2002)この業績で2002年日本消化器内視鏡学会学会賞を受賞した。
大腸ポリープの内視鏡的切除後6,715例のフォローアップに関する研究から5mm未満のポリープではその後の定期的フォローアップは効果的でなく、検診に戻すこと、5mm以上の場合は2~3年ごとのサーベイランスは適当であること、ポリープ切除により大腸癌罹患リスクが約0.3倍に低下することなどを明らかにした。(Dis.Colon Rectum,1997)Retrospectiveな研究であるが、米国National Polyp Study1,418例を凌駕する最も多数例の研究である。
経鼻内視鏡検査を内視鏡による胃癌スクリーニングに世界で最初に導入し、さらには経鼻内視鏡検査を日本で最初に本格的に臨床応用し、その有用性と問題点を明らかにした。(Digestive Endoscopy,1995、消化器内視鏡,1995)経鼻胃内視鏡検査は現在全国で患者にやさしい内視鏡検査として注目され、飛躍的に検査数が増加しているが、私は経鼻内視鏡のパイオニアの一人として周知されている。(メディカル朝日,2006)
現在日本で普及してきている総合健診、人間ドックにおける胃・大腸内視鏡同日検診をいち早く提唱し、その有用性を明らかにした。(日本総合健診医学会誌,1995、Health Evaluation and Testing,2002)特に胃内視鏡には経鼻法を用いたことは特筆すべきことである。この業績で1996年日本総合健診医学会学会賞を受賞した。
大腸腫瘍の内視鏡治療で大きさ20mm以上の多数例の内視鏡治療成績をまとめ、分割切除の妥当性を明らかにした。184症例198病変の検討は全国的にみても有数の症例数を誇る報告の一つである。(日本大腸検査学会雑誌,2006)大腸内視鏡腫瘍の内視鏡治療における偶発症(出血と穿孔)を多数例の分析から出血しやすい患者の傾向があること、偶発症防止の効果的な方法などを具体的に明らかにした。(日本大腸検査学会雑誌,2003)